低温で作成したフッ化アパタイトを同定する目的でX線解析を用いて格子定数の変化から検証を
行いました。
調合時にフッ化ナトリウムやフッ化カリウムを添加し、特別な方法で調整するとそれらの添加量の
増減により格子定数が変化する事が判ります。ここで格子定数とは結晶は1単位の長さ(単位;Å)でありアパタイトを6方晶系として扱うと、a軸とc軸が変化する事が予想されます。
幾何学的には、上図のOHの位置は図中のO(3)とO(3)のくぼみに入る。OHイオンのイオン半径
は、1.37(Å)でありFイオンのそれは1.33(Å)であることからイオン半径が小さいFイオンの方が
O(3)とO(3)のくぼみに収まりが良い事からアパタイトの結晶の歪みが小さくなると予想できます。
右下図にフッ化物の添加量とa軸の格子定数の変化を示します。格子定数は6方晶系に沿って
以下の式を用いて算出しました。
1/d2=4/3((h2+hk+k2)/a2)+l2/c2
ここで『(khl)は指数』『dは、面間隔(Å)』
フッ化物添加量が多くなるほどa軸の格子定数が小さくなることが判る。逆にc軸方向の格子定数
は大きくなります。従ってフッ化アパタイトの形状は、ハイドロキシアパタイトのそれに比較して針状
になる事が予想できます。
【a軸の格子定数について】
ハイドロキシアパタイト フッ化アパタイト
Ca10(PO4)6(OH)2 Ca10(PO4)6F2
本研究 9.452 9.391
他の文献 9.447〜9.452 9.398〜9.402
(自社測定)
本法で合成したフッ化アパタイトの格子定数(Å)と他の文献の数値を比較すると、ほぼ一致する
ことが判ります。つまり、鉱物の製造方法に関わらず殆ど同じ結晶ができていると考えられます。
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