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図1から全体の結合エネルギ−のピ−クを同定すると塗膜表面の元素が確認できます。フッ化アパタイト被覆TiO2の塗膜表面の元素は、バインダ−及びTiO2以外にCaとPのピ−クが確認されました。これは、アパタイトを構成する元素であることから塗膜表面にアパタイトが存在することが判ります。
図2のC(炭素)の結合エネルギ−から、カルボン酸(COOH)、C-O及びC-C結合が確認され、これらは使用したバインダ−中の有機物の構成形状に起因しています。塗料中のフッ化アパタイト被覆TiO2とTiO2とも、特別これらの結合に影響を与えていません。しかし、TiO2のみを配合した塗料のC-O結合がフッ化アパタイト被覆TiO2を配合した塗料のそれと比較して若干多いとも考えられます。
図3のO(酸素)の結合エネルギ−から使用したバインダ−中の有機物にはC=O、C-Oが存在しますが塗料中にTiO2のみを使用するとC=Oピ−クは確認出来ず、C-Oピ−クのみとなります。これは、結合エネルギ−の小さいC=OがTiO2に接触し、結合が切れたと現在は推定しています。この現象が助長されると塗膜の分解(破壊)につながります。
530eV付近の無機酸化物は、Ti-O及びCa-O、P-Oのピ−ク位置です。ピ−ク位置が重複しているため正確な判断はできませんがフッ化アパタイト被覆TiO2を使用した塗料は、少なくともTiO2とアパタイトが表面に存在していることも確認できました。
図4のTi(チタン)の結合エネルギ−からフッ化アパタイト被覆TiO2と通常のTiO2ともその結合状態は同一であることが確認されました。これはフッ化アパタイト被覆TiO2とTiO2の両方ともその結晶内の電子状態が等しいことを表しています。つまり、フッ化アパタイト被覆TiO2中のTiO2電子は、フッ化アパタイトの方には移動していないと言えます。言い換えれば、フッ化アパタイトは、触媒の効果はないため、図3中のC-Oは確認できなかったと考えられます。
以上の結果からXPS測定から確認できた事項は
1) 塗料中に光触媒原料としてTiO2よりフッ化アパタイト被覆TiO2を使用した方が塗膜表面にTiO2が多く存在する。つまり“頭だし”ができています。
2) 塗料中に光触媒原料としてTiO2単味を使用すると有機結合を切る可能性が高い。一方、フッ化アパタイト被覆TiO2を使用するとそのような現象は認められません。
フッ化アパタイト被覆TiO2中のTiO2は、被覆していないTiO2とその電子状態は等しいことからTiO2に被覆しているフッ化アパタイトは触媒機能はないと推定できます。
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