| 塗膜(バインダ−)の親水化 |
光触媒は、超親水性を示すことが発見されました。二酸化チタンに光が当たると粒子表面に親水基であるOH基が生成しその密度が高いため、親水性になると説明されています。しかし、光触媒原料を粉末状で塗料化した場合、塗膜表面に全体的に光触媒原料が存在することは考えられません。逆に言えば、塗膜の性状に影響を受けると考えられます。
一般に有機系の樹脂を使用した塗膜は、疎水性を示し、逆に無機系を使用すると親水性を示すと言われています。つまり、無機系を使用した方が親水性には有利であることが分かります。この無機系とはその大部分がシラン化合物でシロキサン結合で塗膜を形成します。これの親水化もシリカ表面にOH基が存在することに起因すると言われています。しかしこの無機系バインダ−は、水系での安定性が問題であり、長期での安定性を検討する必要があります。また、塗膜が非常に硬いため、基材との相性が合わないとクラックの発生が起こります。
そこで本使用のバインダ−は、このような問題に注意を払い、有機−無機ハイブリッドバインダ−を使用したり、瞬時に塗膜を形成し塗膜の比重がガラスに近いポリシラザンをバインダ−に使用しました。
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| 光触媒原料の頭だし |
内装用塗料と同様に、光触媒原料が塗膜表面に存在する状態が好ましい。一般に汚れとは、埃、油分を指しますが油分が基材に付着すると、水の親水性のみでは除去できない場合があります。同様に撥水性塗料を塗布しても“水みち”ができ、汚れが線のように残ってしまいます。
これらの解決策として光触媒は、そのような油分等の有機物を分解し基材から浮き上がらせ、その状態で洗い流すことを可能にします。光触媒原料としてTiO2を使用すると、有機物を分解する酸化反応と親水性を示す還元反応の両方とも働くことから外装の防汚には最適の材料と考えられます。
以下は有機物の分解を確認する目的でメチレンブル−を塗布した場合の時間経過による脱色の様子を観察しています。メチレンブル−を塗布後、3時間ぐらいでメチレンブル−の青色が消えている(分解している)ことが確認できました(フェイスガ−ドアウト水性塗布は中央)。しかし、親水性塗料のみ(基材の右側)ではメチレンブル−の青色が脱色されていません。
このように光触媒原料の頭だしが非常に重要であることが分かります。
写真1 メチレンブル−塗布直後
写真2 メチレンブル−塗布2時間後
写真3 メチレンブル−塗布3時間後
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| 塗膜の低誘電率化 |
塗装面が汚れる原因は、短期と長期に分けて考えられています。短期の汚れの原因としては塗膜の誘電率と密接な関係があります。誘電率とは、電気的に引きつけ合う大きさ(力)であり、この値が大きいと短期の汚れの原因となります。
以下に一般的な誘電率を示します。
有機溶剤系 80〜100 ε
有機水性 30〜 50
無機水性 10〜 20
この様に外装塗料としては、短期の汚れ低減のみを考えると、水性塗料が適しています。
一方、外装塗料の乾燥時間と短期の汚れの関係を考えると、乾燥時間が短い程、短期の汚れは少ないようです。そこで、揮発性物質等を添加することにより乾燥時間を短くする方法が取られています。 |